「「隣人はバイオリン奏者」 マンション代金の返還認めない判決 東京地裁|テレ朝news-テレビ朝日のニュースサイト」

 「騒音トラブルに巻き込まれたくない」と新築マンションを購入した夫婦の隣人は、プロのバイオリン奏者でした。   販売業者が正確な情報を提供すべきだったとして、夫がマンション購入代金の返還などを求めた裁判で東京地裁は請求を退けました。   ■マンション購入の鍵は「音」の悩み   訴状などによりますと、転勤族だった会社員の男性(50代)は妻と全国各地で引っ越しを繰り返してきました。   その生活で度々、悩まされたのは転勤先の住まいでの上の階などから聞こえる生活音、繁華街の雑音などでした。   そうしたなか、夫婦はマンションの最上階で、隣も静かであれば「音」に悩まされることはないだろうと考えそうした分譲物件があれば購入することにしました。   ■隣人は「普通のお勤め」と説明され…    2019年、男性は札幌市に建てられる新築マンションの販売業者(本社・東京)の担当者から情報を得て、最上階の角部屋の購入を検討し始めます。   男性は担当者にこれまで「音」の問題で悩んできたことを伝え、隣室はどんな人が購入したのか知りたいと質問しました。   男性によると、担当者は「個人情報なので答えられない」としながらも「女性1人でお住まいで、とても良い方で、普通のお勤めをされている方」と回答したといいます。   男性が「そのような方であれば音の心配をしなくてよさそうですね」と確認したところ、担当者は「そう考えて頂いて結構です」と答えたということです。   男性は安心して購入を決め、売買契約を締結して代金全額を支払いました。   そして2020年、夫婦はマンション最上階の角部屋に入居し、「音」に悩まされない生活を手に入れたかに思われました。   ■隣人はプロのバイオリン奏者だった   しかし、事態は翌月に急転します。   隣室に入居した女性が挨拶に来たところで、女性がプロのバイオリン奏者であり、自宅で練習する予定だと聞いたのです。   男性はその3カ月後に、販売業者を提訴しました。   不動産売買取引で販売業者が正確な情報を提供して適切に説明すべき業務上の注意義務に反したとして、売買契約を解除して代金の返還などを求めたのです。   ■業者側に説明義務はあったのか   25日に東京地裁に出廷した男性は、直前まで目を閉じて判決を待ちました。   「主文。原告の請求をいずれも棄却する」   判決で東京地裁は「男性は販売担当者に『音』に悩まされた経験を話し隣人について尋ねたが、『隣人が楽器の演奏をする人か否か』については質問をしなかった」などと指摘しました。   そのうえで、「販売担当者が、楽器の演奏については音量を著しく上げられたり、夜間に長時間演奏されるなどしない限り、男性が指す『音』の問題には当たらないと考えたとしても無理はない」「マンションの購入者に向けた重要事項説明書に『ピアノ等の音量を著しく上げることは禁止されることが見込まれる』と記載されていることなどをふまえると、業者側に『隣人が楽器演奏者かどうか』を回答する義務があったと認めることはできない」などとして、男性の訴えを退けました。   判決後、男性は「販売担当者の説明にうそがあったことを抜きにしていて、消費者目線からはずれた判決だ」と悔しさをにじませました。   控訴するかどうかについては今後、検討するということです。

 「騒音トラブルに巻き込まれたくない」と新築マンションを購入した夫婦の隣人は、プロのバイオリン奏者でした。  販売業者が正確な情報を提供すべきだったとして、夫がマンション購入代金の返還などを求めた裁判で東京地裁は請求を退けました。  ■マンション購入の鍵は「音」の悩み  訴状などによりますと、転勤族だった会社員の男性(50代)は妻と全国各地で引っ越しを繰り返してきました。  その生活で度々、悩まされたのは転勤先の住まいでの上の階などから聞こえる生活音、繁華街の雑音などでした。  そうしたなか、夫婦はマンションの最上階で、隣も静かであれば「音」に悩まされることはないだろうと考えそうした分譲物件があれば購入することにしました。  ■隣人は「普通のお勤め」と説明され…    2019年、男性は札幌市に建てられる新築マンションの販売業者(本社・東京)の担当者から情報を得て、最上階の角部屋の購入を検討し始めます。  男性は担当者にこれまで「音」の問題で悩んできたことを伝え、隣室はどんな人が購入したのか知りたいと質問しました。  男性によると、担当者は「個人情報なので答えられない」としながらも「女性1人でお住まいで、とても良い方で、普通のお勤めをされている方」と回答したといいます。  男性が「そのような方であれば音の心配をしなくてよさそうですね」と確認したところ、担当者は「そう考えて頂いて結構です」と答えたということです。  男性は安心して購入を決め、売買契約を締結して代金全額を支払いました。  そして2020年、夫婦はマンション最上階の角部屋に入居し、「音」に悩まされない生活を手に入れたかに思われました。  ■隣人はプロのバイオリン奏者だった  しかし、事態は翌月に急転します。  隣室に入居した女性が挨拶に来たところで、女性がプロのバイオリン奏者であり、自宅で練習する予定だと聞いたのです。  男性はその3カ月後に、販売業者を提訴しました。  不動産売買取引で販売業者が正確な情報を提供して適切に説明すべき業務上の注意義務に反したとして、売買契約を解除して代金の返還などを求めたのです。  ■業者側に説明義務はあったのか  25日に東京地裁に出廷した男性は、直前まで目を閉じて判決を待ちました。  「主文。原告の請求をいずれも棄却する」  判決で東京地裁は「男性は販売担当者に『音』に悩まされた経験を話し隣人について尋ねたが、『隣人が楽器の演奏をする人か否か』については質問をしなかった」などと指摘しました。  そのうえで、「販売担当者が、楽器の演奏については音量を著しく上げられたり、夜間に長時間演奏されるなどしない限り、男性が指す『音』の問題には当たらないと考えたとしても無理はない」「マンションの購入者に向けた重要事項説明書に『ピアノ等の音量を著しく上げることは禁止されることが見込まれる』と記載されていることなどをふまえると、業者側に『隣人が楽器演奏者かどうか』を回答する義務があったと認めることはできない」などとして、男性の訴えを退けました。  判決後、男性は「販売担当者の説明にうそがあったことを抜きにしていて、消費者目線からはずれた判決だ」と悔しさをにじませました。  控訴するかどうかについては今後、検討するということです。

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2022-05-26 20:31:02

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