「TVアニメ『月が導く異世界道中』が描く現代日本の前向きな諦め:「ブサイク」の異界と張り出した女性嫌悪|髙橋 優」
はじめに いつのころからだろうか――この世のほかに、もっと別なところに、自分を受け入れてくれる「場所」があるのではないか、というほのかな期待が生まれたのは。 疲れ切って帰路につくとき、ふと電車の窓を眺めていて「ここは私のいるところではないかもしれない」といった奇妙な気分に陥ることがある。今の生活に不満があるわけではない。だが、「ここではないどこか」へのあこがれは、いつも私の心のすきまにひそやかに入り込んでくるのだ。青臭い感情と、人はたぶん笑うだろう。 (田中貴子『鏡花と怪異』平凡社、2006年、137頁) 「俺は夜なんて駆けない 未来に賭ける」、「そうアタシは半人前 ブサイク
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2021-10-01 11:33:24