「「何もカバー無しですか」悲痛な声、大阪医療の現実|テレ朝news-テレビ朝日のニュースサイト」

緊急事態宣言が出ている4都府県の中で、特に医療体制が危機的な状況に陥っている大阪では自宅療養者が「重症化」するケースが相次いでいます。入院する必要があるにも関わらず、入院できない…事態は深刻さを増しています。  ▽自宅がまるで“病室” 看護師「失礼します」「お邪魔します」 すでに医療現場が限界を越えている大阪で、新型コロナの自宅療養者への往診を行っている病院があります。  看護師「ちょっと酸素測っておこうか。あと血圧も一緒に見ていきましょう」「保健所から毎日状態確認の電話は?」 患者の女性「ないですね」 看護師「よし、点滴しよう」  点滴袋をハンガーにかけ、自宅がまさに病室と化しています。ぜんそくの持病を持つ40代の女性。ここ数日、吐き気や下痢の症状がひどく食事もとれないため入院を希望しましたが、保健所から「難しい」と告げられたそうです。 自宅療養者「(入院は)多分難しいといわれて」 看護師「今もう中等症でも入院できないから」 女性「でもしんどい時って電話できないじゃないですか、自分1人だと」 看護師「ほんまやな」 看護師「水分ちゃんととって、しんどかったら電話番号教えておくから往診に電話して」  往診を行っているのは東大阪生協病院。 院長「そういう在宅待機の方に医療の手が伸びていないところで、急変のリスクとか、在宅で命を失ってしまう可能性を強く感じましたので。これはもう、何とか入院させてほしいということをお願いするばかりではなくて、在宅医として自宅に行って中等症なら中等症の治療を在宅でまず開始する」 大阪府の自宅療養者の数は過去最多を更新していて、3月以降自宅療養中に死亡した人は14人に及んでいます。  ▽「呼吸不全」でも入院できず こちらはホテルでの療養中に病状が悪化した30代の女性。血液中の酸素飽和度を測ると…90%まで低下しアラーム音が鳴ります。呼吸不全が起きていて、入院が必要とされる数値です。 ホテル療養中の女性(30代) 「それも(看護師に)報告はしているんですが、特に何か動きがあるわけでもありません」 「ずっと胃が気持ち悪くて、数日前からご飯を全く食べられていない状態です。ゼリー飲料は、数日前に少し飲みましたけど、それも気持ち悪くてきのう、おとといくらいから飲んでいません」 「できれば点滴をしたり、治療をちゃんと受けたいです」  重症化の不安から女性が受診したのは、大阪市内のクリニックが行う“オンライン診療”です。 医師「いまSpO2(酸素飽和度)はどれくらいですか?」 30代女性「きのうの夜中92まで落ちて…朝は94とかぐらいでした」 医師「もしかしたら肺炎の可能性もあるかもわからないので、ちょっと肺を守っていくために抗生物質を出します」 コロナで療養中の人は、オンライン診療の費用も原則、公費でまかなわれます。処方された薬は、自宅に送ってもらうことも、最寄りの薬局で受け取ることもできます。  オノダクリニック院長 「オンライン診療を行うことで病床圧迫の軽減につながるのではないかと。それを軽減するのは我々、受け皿となる開業医だと思います」 ホテルで療養中の女性は知人に届けてもらい薬を飲むことができました。  ▽大阪「オンライン診療」体制強化も… こうした状況に大阪府はオンライン診療の体制を拡充したと発表しました。 大阪府 吉村洋文知事(4月30日)  「450の医療機関に協力をいただいてかなり拡充をしていっています」 「この新型コロナ受診相談センター、この土日も含め終日つながりますので、そちらの方にお問い合わせいただいたら、オンラインの診療先というのをお伝えいたします」  しかし、この受診相談センターに電話をしても… 受信相談センター(自動音声)「恐れ入りますが、しばらく経ってからお電話いただきますようお願いいたします」 自宅療養中の女性(25)「切れましたね」  自宅療養中の25歳の女性は、先月21日に陽性が確認され保健所からの連絡を待つように言われましたが、この10日間、一度もありません。 自宅療養中の女性(25)「きょうは37度5分でした、ちょっと体温が上がっています」  ▽10日間“放置”され、ようやく保健所から連絡も… 女性はオンライン診療以外にも、相談したい“切実な悩み”がありました。 自宅療養中の女性(25) 「25日が(給料の)振り込みだったんですけど、手取りがいつもの10万円減ってしまって」 「保健所からの支援もなく全部自分でやらないといけないので、まいりますね」 3月の給料の手取りは23万円ありましたが、コロナに感染した4月は14万円に。 本来、保健所から届くはずの食料品も届かないため、実家や友人からの支援で何とかしのいでいます。 今月2日の午前中、初めて保健所から電話が来ました。しかし… 保健所の職員「味覚嗅覚や37度4分以下の熱が続いている方でも、療養期間は発症から10日間で終了となっています」 女性「もう食事のサポートとかも、もう自宅待機期間が終わってるから何もカバー無しってことですか?」 保健所の職員「そうです」 女性「オンライン診療とかもなしってことですか?」 保健所「はい」  女性は保健所から、すでに療養期間が終わっているため食料品やオンライン診療などの支援は受けられないと告げられました。  自宅療養中の女性(25) 「今までの待機期間は何だったのとも思うし、もう完全に放置で」 「コロナ陽性者に対するサポートの体制が根本的に崩れてしまっているんじゃないかと感じました」

緊急事態宣言が出ている4都府県の中で、特に医療体制が危機的な状況に陥っている大阪では自宅療養者が「重症化」するケースが相次いでいます。入院する必要があるにも関わらず、入院できない…事態は深刻さを増しています。 ▽自宅がまるで“病室” 看護師「失礼します」「お邪魔します」 すでに医療現場が限界を越えている大阪で、新型コロナの自宅療養者への往診を行っている病院があります。 看護師「ちょっと酸素測っておこうか。あと血圧も一緒に見ていきましょう」「保健所から毎日状態確認の電話は?」 患者の女性「ないですね」 看護師「よし、点滴しよう」 点滴袋をハンガーにかけ、自宅がまさに病室と化しています。ぜんそくの持病を持つ40代の女性。ここ数日、吐き気や下痢の症状がひどく食事もとれないため入院を希望しましたが、保健所から「難しい」と告げられたそうです。 自宅療養者「(入院は)多分難しいといわれて」 看護師「今もう中等症でも入院できないから」 女性「でもしんどい時って電話できないじゃないですか、自分1人だと」 看護師「ほんまやな」 看護師「水分ちゃんととって、しんどかったら電話番号教えておくから往診に電話して」 往診を行っているのは東大阪生協病院。 院長「そういう在宅待機の方に医療の手が伸びていないところで、急変のリスクとか、在宅で命を失ってしまう可能性を強く感じましたので。これはもう、何とか入院させてほしいということをお願いするばかりではなくて、在宅医として自宅に行って中等症なら中等症の治療を在宅でまず開始する」 大阪府の自宅療養者の数は過去最多を更新していて、3月以降自宅療養中に死亡した人は14人に及んでいます。 ▽「呼吸不全」でも入院できず こちらはホテルでの療養中に病状が悪化した30代の女性。血液中の酸素飽和度を測ると…90%まで低下しアラーム音が鳴ります。呼吸不全が起きていて、入院が必要とされる数値です。 ホテル療養中の女性(30代) 「それも(看護師に)報告はしているんですが、特に何か動きがあるわけでもありません」 「ずっと胃が気持ち悪くて、数日前からご飯を全く食べられていない状態です。ゼリー飲料は、数日前に少し飲みましたけど、それも気持ち悪くてきのう、おとといくらいから飲んでいません」 「できれば点滴をしたり、治療をちゃんと受けたいです」 重症化の不安から女性が受診したのは、大阪市内のクリニックが行う“オンライン診療”です。 医師「いまSpO2(酸素飽和度)はどれくらいですか?」 30代女性「きのうの夜中92まで落ちて…朝は94とかぐらいでした」 医師「もしかしたら肺炎の可能性もあるかもわからないので、ちょっと肺を守っていくために抗生物質を出します」 コロナで療養中の人は、オンライン診療の費用も原則、公費でまかなわれます。処方された薬は、自宅に送ってもらうことも、最寄りの薬局で受け取ることもできます。 オノダクリニック院長 「オンライン診療を行うことで病床圧迫の軽減につながるのではないかと。それを軽減するのは我々、受け皿となる開業医だと思います」 ホテルで療養中の女性は知人に届けてもらい薬を飲むことができました。 ▽大阪「オンライン診療」体制強化も… こうした状況に大阪府はオンライン診療の体制を拡充したと発表しました。 大阪府 吉村洋文知事(4月30日) 「450の医療機関に協力をいただいてかなり拡充をしていっています」 「この新型コロナ受診相談センター、この土日も含め終日つながりますので、そちらの方にお問い合わせいただいたら、オンラインの診療先というのをお伝えいたします」 しかし、この受診相談センターに電話をしても… 受信相談センター(自動音声)「恐れ入りますが、しばらく経ってからお電話いただきますようお願いいたします」 自宅療養中の女性(25)「切れましたね」 自宅療養中の25歳の女性は、先月21日に陽性が確認され保健所からの連絡を待つように言われましたが、この10日間、一度もありません。 自宅療養中の女性(25)「きょうは37度5分でした、ちょっと体温が上がっています」 ▽10日間“放置”され、ようやく保健所から連絡も… 女性はオンライン診療以外にも、相談したい“切実な悩み”がありました。 自宅療養中の女性(25) 「25日が(給料の)振り込みだったんですけど、手取りがいつもの10万円減ってしまって」 「保健所からの支援もなく全部自分でやらないといけないので、まいりますね」 3月の給料の手取りは23万円ありましたが、コロナに感染した4月は14万円に。 本来、保健所から届くはずの食料品も届かないため、実家や友人からの支援で何とかしのいでいます。 今月2日の午前中、初めて保健所から電話が来ました。しかし… 保健所の職員「味覚嗅覚や37度4分以下の熱が続いている方でも、療養期間は発症から10日間で終了となっています」 女性「もう食事のサポートとかも、もう自宅待機期間が終わってるから何もカバー無しってことですか?」 保健所の職員「そうです」 女性「オンライン診療とかもなしってことですか?」 保健所「はい」 女性は保健所から、すでに療養期間が終わっているため食料品やオンライン診療などの支援は受けられないと告げられました。 自宅療養中の女性(25) 「今までの待機期間は何だったのとも思うし、もう完全に放置で」 「コロナ陽性者に対するサポートの体制が根本的に崩れてしまっているんじゃないかと感じました」

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2021-05-03 14:31:13

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