「"遺伝"するRNAーー孫世代まで引き継がれた「オランダ飢餓」の記憶(中屋敷 均)(1/3)」
ナチスドイツがオランダ撤退の際に、レジスタンス運動への対抗策として行った食糧の封鎖戦略。さらに、それに追い打ちをかけるような記録的な冬の寒さ。「オランダ飢餓の冬」と呼ばれる悲劇である。皮肉なことにこの悲劇は、飢餓を経験した住民がオランダ西部に偏っていたことから、飢餓の影響を国内の東西で比較して大規模に調査するための格好の材料となり、特に母体の栄養不足が子供の長期的な健康にあたえる影響の追跡調査は、現在でも続けられている。今回は、この追跡調査をきっかけに、獲得形質の遺伝の具体例を紹介すると共に、エピジェティクな情報が子孫に伝えられることの意義について考察してみた。
コンテンツ文字数:0 文字
見出し数(H2/H3タグ):0 個
閲覧数:96 件
2022-06-14 11:02:05