「【独自】五輪ボランティアのPCR検査“ずさん”な実態を証言|TBS NEWS」

 政府が「安全安心」をアピールする東京オリンピックで、選手らと接触するボランティアの人たちに義務づけられている新型コロナのPCR検査について、ずさんな運用の実態がJNNの取材で分かりました。 「選手村にはきょうも、続々とボランティアの方々が入っていきます」(記者)  オリンピックの選手村などで活動するおよそ7万人のボランティアは、組織委員会のガイドラインで、活動開始前のPCR検査が義務付けられています。選手と接触する人については、活動中も毎日、検査することになっていますが・・・  「PCR検査自体は1回も受けてないです。(Q.組織委員会からは連絡なかった)そうですね。検査を受ける案内とか、今のところ一度も声がかかったり、説明とかがない」(ボランティアの男性)  義務付けられているはずの検査を一度も受けていないと証言するのは、ボランティアの運転手として選手らの送迎を担当している男性。選手村で選手らの通訳などを担当している女性も・・・  「(Q.検査を受けたことは)受けたことないです。1回も受けたことないですね。複雑な気持ちで、ボランティアしていますね」(ボランティアの女性)  この女性は、活動が始まっても検査の連絡がないため、組織委員会にメールで検査を要望すると、こんな回答がきました。  「活動中または活動後に検体提出場所にて検査キットをお受け取りいただき、検体を提出いただくこととなっております」(組織委からのメール)  会場ごとに置かれている検査キットを各自でピックアップし、唾液を入れて提出するという形。活動を始める前の検査はなく、選手と接する人たちに義務付けられる毎日の検査についても、強制力も実施したかの確認もない自主的な検査になっているというのです。  「結構ラフな感じでやっているなという印象は受けました。活動が終わってから、PCRやるってことも可能なので、ウイルスを持ったまま活動するということも、理論的にはできる」(ボランティアの女性)  こうした実態の一方で、オリンピックの「安全安心」を強調する政府は、検査の徹底をアピールしてきました。  「安全安心な大会の実現に向けて、選手や大会関係者の徹底した検査や、行動管理を行う」(菅 義偉首相)  総理官邸を訪れたバッハ会長も・・・  「検査体制はしっかりと執行され、そして成功している」(IOC バッハ会長)  なぜ、感染対策の要である検査すら、指針通りに運用されていないのか。検査現場を担当する組織委員会の職員がJNNの取材に応じ、「個別の検査義務が果たされているか確認する体制がない」と証言しました。  「『安心安全に検査を確実にやる』ということだけが先走って、そこに人員も、追加で何かあるわけではないし、予算についても、当然ながら限られる。(実質的な自主検査で)その人が本当に唾液の検体を持って、ちゃんと回収ボックスに入れたか、我々も確認はできない」(大会組織委員会の職員)  きょう、組織委員会に検査の現状認識を聞くと・・・  「ルールはルールなので、それを基本的に守っていただくように、お願いはしていますが、どうしても前日までに受けられない場合には、当日ご対応いただくケースも、当然、存在している」(大会組織委員会 高谷正哲スポークスパーソン)  オリンピック開催地の首都圏を中心に、感染の急拡大に歯止めが利かない中、関係者に対する最低限の検査体制すら整っていない実態が浮き彫りとなっています。

 政府が「安全安心」をアピールする東京オリンピックで、選手らと接触するボランティアの人たちに義務づけられている新型コロナのPCR検査について、ずさんな運用の実態がJNNの取材で分かりました。 「選手村にはきょうも、続々とボランティアの方々が入っていきます」(記者)  オリンピックの選手村などで活動するおよそ7万人のボランティアは、組織委員会のガイドラインで、活動開始前のPCR検査が義務付けられています。選手と接触する人については、活動中も毎日、検査することになっていますが・・・  「PCR検査自体は1回も受けてないです。(Q.組織委員会からは連絡なかった)そうですね。検査を受ける案内とか、今のところ一度も声がかかったり、説明とかがない」(ボランティアの男性)  義務付けられているはずの検査を一度も受けていないと証言するのは、ボランティアの運転手として選手らの送迎を担当している男性。選手村で選手らの通訳などを担当している女性も・・・  「(Q.検査を受けたことは)受けたことないです。1回も受けたことないですね。複雑な気持ちで、ボランティアしていますね」(ボランティアの女性)  この女性は、活動が始まっても検査の連絡がないため、組織委員会にメールで検査を要望すると、こんな回答がきました。  「活動中または活動後に検体提出場所にて検査キットをお受け取りいただき、検体を提出いただくこととなっております」(組織委からのメール)  会場ごとに置かれている検査キットを各自でピックアップし、唾液を入れて提出するという形。活動を始める前の検査はなく、選手と接する人たちに義務付けられる毎日の検査についても、強制力も実施したかの確認もない自主的な検査になっているというのです。  「結構ラフな感じでやっているなという印象は受けました。活動が終わってから、PCRやるってことも可能なので、ウイルスを持ったまま活動するということも、理論的にはできる」(ボランティアの女性)  こうした実態の一方で、オリンピックの「安全安心」を強調する政府は、検査の徹底をアピールしてきました。  「安全安心な大会の実現に向けて、選手や大会関係者の徹底した検査や、行動管理を行う」(菅 義偉首相)  総理官邸を訪れたバッハ会長も・・・  「検査体制はしっかりと執行され、そして成功している」(IOC バッハ会長)  なぜ、感染対策の要である検査すら、指針通りに運用されていないのか。検査現場を担当する組織委員会の職員がJNNの取材に応じ、「個別の検査義務が果たされているか確認する体制がない」と証言しました。  「『安心安全に検査を確実にやる』ということだけが先走って、そこに人員も、追加で何かあるわけではないし、予算についても、当然ながら限られる。(実質的な自主検査で)その人が本当に唾液の検体を持って、ちゃんと回収ボックスに入れたか、我々も確認はできない」(大会組織委員会の職員)  きょう、組織委員会に検査の現状認識を聞くと・・・  「ルールはルールなので、それを基本的に守っていただくように、お願いはしていますが、どうしても前日までに受けられない場合には、当日ご対応いただくケースも、当然、存在している」(大会組織委員会 高谷正哲スポークスパーソン)  オリンピック開催地の首都圏を中心に、感染の急拡大に歯止めが利かない中、関係者に対する最低限の検査体制すら整っていない実態が浮き彫りとなっています。

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2021-07-30 08:31:15

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